合唱コンサートホールの選び方

良い音楽を奏でるには良い楽器が必要なように、良い合唱をしようとするならば
良いホールを選ぶ必要がある。
もちろん合唱団の規模や想定できる観客数で決まる部分はあるが、
音楽的に見たときは何が言えるのだろうか。
一つの考え方としてはホールの残響時間がある。
経験から感じる部分もあるだろうと思うが、残業時間の短いホールでは
いくら大きい声で歌ったとしても声が客席に吸われていくような感じがある。
一方で、残響時間の長いホールでは響きが返ってきて楽に歌える感覚になる。
ただ、長すぎる場合は声がぼやけてきて言葉が伝わらなくなってくるため、
一概に長ければいいというわけではない。
一方で、観客からすれば残響時間の短いホールでは、客席が遠くに聞こえる
感覚になる。残響時間の長いホールでは音は良く届くが、言葉、特に子音の
伝わりが悪くなってくる。
合唱団としてできることは、ホールの性質を把握し、「歌いにくさ」を最小限に
していくことであるといえる。
言い換えれば「ホールとうまく付き合う」ということになる。1)

ホールの用途に応じた最適な残響時間はこのように言われている。

最適残響時間の目安 2)

用途        残響時間(秒)
録音・放送スタジオ 0.3-0.5
オーディオルーム  0.6-0.8
会議室       0.7-0.9
劇場        0.8-1.1
多目的ホール    1.1-1.6
オペラハウス    1.1-1.6
コンサートホール  1.5-2.1

言葉がより明確に伝わってほしい環境ほど残響時間が短く設計されている。
一方で、複数の音が奏でる音楽を演奏する場合は残響時間が長く設計されている。
ホールの大きさに影響する部分もあり残響時間には幅が生まれる。
コンサートホールでは小ホールの場合1.5秒、大規模ホールでは2.1秒を目安で
考えればよと思われる。

コンサートホールの座席数と残響時間を3)を参考にまとめる。
空席時は残響時間が長くなり、満席時は観客に音が吸われてしまうため
残響時間は短くなる。

ホール     座席数   残響時間(秒)
旧石橋メモリアルホール 622 1.8
旧カザルスホール    511 1.6
東京国際フォーラムA  5012 3.0
NHKホール       3601 1.6
東京文化会館(大)   2303 1.8
   同  (小)   649 1.3
オーチャートホール   2150 1.5-2.3
サントリーホール(大) 2006 2.1
  同・ブルーローズ  380 0.8
東京芸術劇場大ホール  1999 2.2
ミューザ川崎大ホール 1997 2.0
新国立劇場オペラパレス 1814 1.4-1.6 
  同  (中)    1030 1.0-1.3
トリフォニーホール   1801 2.0
東京オペラシティー   1632 1.96
紀尾井ホール      800 1.8
第一生命ホール     767 1.6
浜離宮朝日ホール    552 1.7
トッパンホール     408 1.3-1.6
王子ホール       315 1.2
白寿ホール       300 1.5
なかのzero(大) 1292 2.5
なかのzero(小) 501 0.8
新宿文化センター(大) 1601 1.8-2.1
新宿文化センター(小) 210 1.0

1) ホールの残響と歌い手の関係
https://echotama.com/%E6%AE%8B%E9%9F%BF%E3%81%A8%E6%AD%8C%E3%81%84%E6%89%8B%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82/

2) 音の響きをコントロール!「残響時間」がひとつの目安
https://www.soundzone.jp/staffblog/9785/

3) 東京首都圏のコンサートホールの座席数と残響時間を調べてみました
https://blog.goo.ne.jp/tora6yoshi/e/dc00e2eafdc72c68f4e22711595eaddc


この記事へのコメント